西久松友花

西久松友花
西久松友花

1992年、京都府生まれ。2018年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程工芸専攻陶磁器を修了。卒業後は京都を拠点に活動している。両親が日本画家という家庭に育った影響もあり、幼い頃から絵を描くことが好きだったが、平面ではなく立体表現にさらなる面白さと奥深さを発見し、大学で本格的に陶芸を学び始める。彼女が持つ主要な制作テーマは、継承されてきた文化や歴史、宗教によって扱われてきた象徴物を土という素材に置き換えて再構築、再解釈し表現することです。形や色彩など装飾的な観点からその価値を捉えています。彼女の作品は、宗教的儀式で使われる道具や歴史的な建築物を思わせる荘厳な姿をした作品が特徴です。それらは色彩豊かで、金、銀、真鍮、パール、紐など異素材を使った装飾が施されており、独自の優美な世界観を作り出しています。複雑な装飾や多層的な形を制作することは簡単なことではないでしょう。小さなパーツを丁寧に作り出し焼成し、組み上げて焼成し、彩色して焼成し、手間のかかる作業の繰り返しは彼女の作品に対する情熱と培ってきた技術があるからこそ成し遂げられるものです。最近では、色や形といった物理的なものから、死生観や自然の摂理といった内省的な問いかけをするようなコンセプトで作品を表現しています。2024年に開催されたアートコラボレーション京都では、「Umwelt」世界に存在するあらゆるものが独自の知覚世界の中で生き、互いに調和している、という概念をテーマに作品を発表しました。同時にドローイングも展示され、より深く彼女の世界観を見せる展覧会となった。

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