古谷和也

古谷和也
古谷和也

1976年、滋賀県生まれ。1997年に山口芸術短期大学(造形美術コース)卒業後、京都府立陶工技術専門学校で作陶の基礎を学ぶ。卒業後は、信楽焼の陶芸家であった父、古谷道生の元でさらに学びを深めるが、2000年に父親が早逝し、父親と共に学んだ期間はわずか2年ほど。その後は、自分で穴窯を築き、試行錯誤を繰り返しながら創作活動をする。主に茶道で使われる茶碗などの茶道具、また生活を豊かにする花入れや食器を中心に作陶をしています。彼が背負っているもの、それは長い歴史を持つ信楽焼というブランド、日本文化の象徴である茶道の伝統、また陶芸家であった父親の存在。これらは、彼の強みであると同時に彼の作陶の足かせとなってしまう要因であったのかもしれません。しかし、信楽という自然豊かな土地、工芸展での受賞、また2023年に経験したスペインの芸術家ミケル・バルセロ氏との共同制作は、彼の持つ陶芸に対する固定観念を取り除き、自分のやりたい作陶に気付けたようです。2024年には、個展「破」を京都アンティークフェア会場(夢工房ブース)で開催し、破れ壺というジャンルに挑戦しました。土と炎を熟知しているからこそ制作できる破れ壺は、道具という役割を超えてアート作品となるものでした。好評だった破れ壺作品群は、2025年1月にシンガポールで開催されるアートフェア「ART SG」に出展されます。


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