1968年、東京都生まれ。
仏師として長い修行を重ね、儀軌に準拠した仏像を制作している。日本の古典や歴史、仏教を深く学び、常に真理を求める姿勢を彼は持っています。生きることの意味を探求しながら彫刻し、そして形として現れた仏像は祈りを捧げる人々の拠り所となり存在し続けます。彫刻する際、彼は自分の主張や価値観を刻み込まないという。信仰の対象となる仏像は、仏本来が持つ本質を見失わないようにしなければなりません。それは自分を無にしていく作業でもあると彼は言います。そして加藤巍山のもう一つの顔は、彫刻家としてのアート作品の制作です。仏師として培ってきた経験を活かし、自分の想いや世情を敏感に感じ取り、彼の研ぎ澄ました感覚で受け取ったものを立体造形として生み出していきます。2020年にニューヨークで開催されたオークションで彼の作品が高額で落札されたことは大きな話題となりました。それをきっかけにさまざまな業界から高い評価を得ます。彼は美しさや名声ではない普遍的な価値をその作品を通して表現しています。
Ⓒ YUMEKOUBOU