西久松友花 展 「Umwelt」
【Art Collaboration Kyoto 2024】は、11月1-3日、国立京都国際会館にて開催されました。夢工房ギャラリーでは西久松友花さんの作品を展示致しました。
京都を拠点に活動する彼女の作品との出会いは、2023年3月に開催された陶芸家グループ展「わが陶は ゆくえもしらず はてもなし」でした。当時の彼女の作品は、宗教的な造形を意識したような神秘的で荘厳な雰囲気を持つものでした。
今回の展覧会は「Umwelt」、日本語では「環世界」と訳され、ドイツの生物学者が提唱した概念です。世界に存在するあらゆるものは、それぞれの知覚を持っており独自の知覚世界の中で生き、さらに周囲の世界と相互に関わりながら普遍的な時間と空間の中で存在しているというもの。
様々な形を持ったものが複雑に合わさり、どこか奇妙で不安定で、同じものが表れていない。そして外側の世界があれば必然的に内側の世界も存在しているという事実。不思議な作品群からは、彼女の知覚を通して感じ取った普段は見逃してしまうような世界が作り上げられていました。色や形、質感といった一様でないものが合わさり一つとなっている造形は、多彩で自由で、そして寛容さも併せ持つものでした。鑑賞する私たちが、作家の知覚する世界観に近ければ近いほど、その作品から受け取る魅力が増していくようです。
かりそめの家 / temporary residence
38cm x 22cm x 22cm
磁器土、釉薬、金、プラチナ / Porcelain clay, glaze, gold,platinum
2024
蛹 / chrysalis
60cm x 30cm x 30cm
磁器土、釉薬、金、プラチナ / Porcelain clay, glaze, gold,platinum
2024