石塚大介展 「GIGANTEDRAP」
ART FAIR TOKYO
YUMEKOUBOU GALLERY ブースNo.N044
■開催日時
2024年3月8日(金) - 10日(日)
11:00 - 19:00
※最終日10日のみ17:00まで
■会場
東京国際フォーラム
ホールE / ロビーギャラリー
東京都千代田区丸の内3-5-1
※入場はすべて予約制です
ART FAIR TOKYO 公式サイトよりご購入いただけます
石塚大介について
漫画家でありアーティストである石塚大介の作品は、SNS時代が内包するアンビバレントなエネルギーに満ちている。
孤独に漫画家を目指してきた石塚にとって、ネットやSNSは自由な表現の場であり、大衆性と共感性を併せ持った「あるあるネタ」のギャグ漫画をインスタグラムに投稿することで約16万人のフォロワーを抱えるコミュニティを作り上げた。漫画家としての石塚大介はSNSによって誕生したともいえるだろう。しかしながらその一方でフォロワーが増え、影響力が増すごとに「本当に言いたい事」が言えない不自由さに気づいたという。
わかりやすさや共感性という面において、ギャグ漫画とアートは対照的だ。アートはパーソナルな事象や、容易く理解しえない難解さも全てを許容する。石塚にとってアーティストとしての活動は、大衆性や共感性によって置き去りにされた自己を取り戻す作業だったといえるのかもしれない。片手サイズのSNSのフィールドには到底おさまり切らない個人的な懊悩や苦闘、思想、反骨心、野心、情熱といった強烈なメッセージを絵筆に乗せて作品が作られていく。瞬発力は石塚の強みであり、ダイナミックなライブペインティングはパフォーマンスに等しい身体性を感じることができる。
描く手法も漫画とは全く異なる。石塚の作品をあえて言葉にするのなら、キャンバスに刻む記憶の堆積だといえるだろう。
作品の下地には、石塚が10年以上にもわたって描き続けるギャグマンガの主人公「田中みのるくん」が必ず描かれているという。さらにその時々の感情や記憶、思い浮かぶ人々の姿や風景といったものを幾重にも塗り重ねることで独特の厚みと奥行きを持った素地が形成される。それは石塚自身が歩み、切り開いてきた道程そのものの色彩であり、単純な色の塗り重ねとは全く異なるものである。最終的に素地を削り取り、地層のような色彩をあらわにすることで作品は完成する。
積み重ねたものを最後に削って壊すという行為は恐れを伴うものだが、作り上げたものをあえて解体させることでしか見出せない新たな表現の転換点というものがある。既存の枠を超えていこうとする個人の途方もない熱量でしか開くことのできない新しい創造の場があることを、石塚は私たちに証明し続けている。
東アジア現代美術史家 沓名美和
石塚 大介 Daisuke Ishizuka
1992年 奈良県出身
2016年 大阪芸術大学芸術学部キャラクター造形学科 卒業
在学中より自身のギャグマンガを雑誌、SNSなどで発表し続けることで人気を博し、現在Instagramフォロワー約16万人。関西の有名FM局の番組にレギュラー出演するなど多方面で活躍している
その一方、より自由な表現を目指しアーティストとしての活躍もはじめる
2023年 アートフェアアジア福岡にて石塚大介展「GIANT KILLING」開催