多聞天 - Tamonten 

加藤巍山展
多聞天 - Tamonten 

多聞天(たもんてん)/ Tamonten

W:1200mm x D:950mm x H:2200mm

材 : 木曽檜 / material : Kiso-Hinoki(cypress)

 

 

仏法の守護神である四天王のうち、北方を司る神である「多聞天」。

甲冑に身を固めた姿は、本格的な神将像として私たちにも馴染みのある姿です。

 

こちらの作品は、仏師としての加藤巍山が儀軌(ぎき)に準拠した仏像として制作したものです。

そこには、彫刻家としての自由な創造性は無く、自身の中にある貪欲さや傲慢、優越感といったものも取り払い、ひたすらに「彫る」という行為だけが存在します。

 

それこそが、儀軌に準拠するということなのです。

信仰心を持ち、祈り、そして委ねる。

 

そこから現れてくる神の姿こそが、後世にまで人々を迷いから救い、深い信仰心を生む存在となります。

加藤巍山が探求して止まない「祈り」の宗教的な意味が、ここにはあるのです。

自分の内側から現れる芸術的要素に重きを置いた作品とは、一線を画しています。